日本の原風景を満喫!
ブロンプトンで房総輪行の旅  その7

どうしよう・・・

ただ今、午後4時32分。養老渓谷駅なう。
お金もない。ネット※Wimaxもない。
携帯電話
※WILLCOMの電波もないオラこんな村嫌だ〜!!!

東京都の隣で、こんなに何も無い極限状態を体験できるなんて。
千葉県。むしろすごい。

感心している場合じゃないよ!!
これからどうするかちゃんと考えないと。

わかってる、わかってる。

とにかく、私の今の所持金は・・・・
581円。
あったんだけど、

先ほど、ATMの場所を尋ねた商店で、
何も買わない訳にも行かず、お茶(110円)を買ったから、
残金471円。

ちょ、ちょ!!

それで、470円でどこまでの切符が買えるかというと・・・
4駅先の里見駅まで。

知らないけどたぶんそこにもATM無い気がプンプンする!!

んー。・・・それを考慮に入れた上で
これから私がとれる行動は次の2つだ。

作戦(1)  とにかく電車に乗っちゃって、後は野となれ山となれ作戦!!

作戦(2)  自転車でがむしゃらに山を下って、後は野となれ山となれ作戦!!

いやそれ、もはや作戦じゃないし・・・・

説明しよう。
作戦(1)攻略のポイントは、電車に乗った後、
乗務員さんかお客さんの誰かに事情を話して、で、なんとか、お金を借してもらう!

迷惑すぎるでしょ・・・!! 
他人の良心に甘えるのもいい加減にしなよ!!

ぐぬぬ。
で、作戦(2)は、さっきの商店でおばあさんが言っていた
「久留里」or「大多喜」まで自転車で行って、そこでとにかくお金を下ろす・・・。
言っては見たものの、これは果たして実現可能なのだろうか・・・。

仮に作戦(2)で頑張るとすると、「久留里」や「大多喜」まではどのくらいの距離なの?

「大多喜」は、さっきいすみ鉄道で急行の待ち合わせをした駅だね。
ざっと見積もって20kmぐらいかな〜。「久留里」も、地図を見るかぎり同じくらい。
ただ、この地図だと高低差は分からないけど。

20kmくらいなら行けるでしょ。
ただ、どちらも山の中を通るし、暗くなる前に無事辿り着けるかは賭けだね。
そもそもATMが営業しているかも、謎だし。
こりゃあ、一筋縄では行かなそうだ。

こうなったら、やっぱり作戦(1)しか・・・

いやいや、
オイラたちはあくまで趣味自業自得でこんなことになってるんだから、
他の人に頼るのは最後の手段だよ?!

そうでした・・・・。

「久留里」or「大多喜」かぁ・・・。
どちらかというと「久留里」にはJRの久留里線が通ってるみたいだから、
久留里まで辿り着ければ、最悪、お金が下ろせなくてもSuicaで帰れそうな予感はあるなあ。

よし。じゃあ、久留里目指して最後のサイクリングだ。

うう。今日はたくさん走ったし、
正直、もう走りたくないなぁ〜。
それに、小湊鉄道乗りたいし・・・・

作戦(1)で人に迷惑かけるよりはマシだと思う、がんばろうぜ。

とりあえずは隣駅の郵便局へ

ハイ。
もう一度さっきの商店にお邪魔して、
おばあさんが言ってた
「隣駅の郵便局」の場所を聞いてきました!
久留里に行く途中、そこを通ってみます。
もしかしたら、ATMだけなら実は17時くらいまで営業してるんじゃないかと思って。
根拠は無いけど・・・。とにかく、17時までにそこに着けるよう、急いで行くよ。

まったく往生際が悪いさえちゃんである。

あ、棚田がある。すごい!
っと、今はそんな場合じゃなかった。

電車に乗ってたら気付かなかった風景だね。
先を急ごう。

隣駅までは終始下り坂だったのでらくちんでした。
10分くらいで養老渓谷駅の隣駅、上総大久保駅まで来ました。
駅の近くには木造のすごく立派な公民館が。レトロ〜。

で、最後の悪あがき!!
私が小湊鉄道に乗れるかどうかは、ここにかかっています。郵便局に到着!!!
ただ今16時43分。17時までの営業だとしたら、まだやってるはず。

えーと、
土曜日は昼12時半まで!
完全に閉まっとるワ。

はい。
じゃあ、久留里まで、行きますか・・・



郵便局の玄関で一息。
ペットボトルを補充して最後のロングサイクリングに備えます。
久留里までの道がどれほど険しいのか、明るいうちに辿り着けるのか、
不安が募りながらのラストスパートです。

久留里までの自転車旅。

下り坂最高!

とにかく楽な自転車旅をしたい向きには、
養老渓谷まで電車で行って、自転車で山を下る、っていう旅はありかもと思います。

二車線になったり、一車線になったり。 
いかにも山あいの道だね。

あ、SUPER MARKET 吉田屋 久留里店!!
地図を見ると、次の信号を左折みたいだよ。

えっ この地図、なんだか近そう♪♪
久留里のスーパーの看板がもうあるっていうことは、意外とあっという間なのかも。元気出てきた!!


途中、小湊鉄道の踏切を通過。
今回、結局のところ小湊鉄道を一度も見る事が出来ませんでした。
残念だけど、またリベンジしよう。

踏切からすぐのところにある、月崎駅を通過。こじんまりとした駅だね〜。

駅前にはデイリーヤマザキが一軒あった。
(もちろん、ATMは無し)
ここで、ここから先の道路状況を再度聞き込みするさえちゃん。

おまたせ。親切に教えてくれました。
「ここから自転車なら30分ぐらいかしら」
「すごい坂道、というわけでもなく、ゆるやかに登ったり降りたり。どちらかというと下りが多い」らしい!!
思ったより楽ちんそうで安心。
嬉しかったので、なけなしのお金でチョコレート買いました(笑)。栄養補給だよ。
郵便局の所でペットボトルも買ったので残金は116円。

いよいよ、引き返せない戦いになってきた^^;


なだらかな山道を進みます。
渓谷沿いの谷間を走るよりは、明るくていいです。

さきほどのデイリーヤマザキの奥様の話の通りに、
突き当たりを右折します。あとはずっと道なり。

お、吉田屋の看板を久々に発見。今度は明確な数値目標付きだ。
6.3キロ先 ←!? 意外に遠いぞ!!

・・・まあ、6kmくらいならクルマだとあっという間だしね〜。
今日び、自転車や徒歩で峠を越えて買い物に行く人なんていないんでしょ。

しばらく上り坂。
「どちらかというと下りが多い」という言葉を信じて、がんばる。

守ってくれなさそうな防護壁。

峠っぽいところに到着。
トンネルがありました。

いっぷく食堂。
いっぷくしたかった・・・・。

トンネルを抜けた先は長〜い下り坂。
ふと下を見ると、意外と高い所を走っていたみたいです。
下は旧道かな?


しばらく走ると、大きな交差点にさしかかりました。右、木更津という看板あり。
迷いましたが、ここはヤマザキさんを信じて直進。
結果的に、直進で合ってました。
もちろん地図も併用しながらですけど、
あのヤマザキの奥様、端的ながら的確な指示をして下さった。本当に感謝です。

また上り坂&トンネルだ〜。

そして下り坂。よしよし。
・・・今日一日で、ずいぶんメンタルが強くなった気がするぞ、私。

ようやく下界に降りてきた雰囲気。
・・・あ、あのオレンジの看板は!!!

スーパー吉田屋発見です!!
おぬし、なかなか遠くに看板を出しよるのう。
ゴール、久留里市街は近し。

突き当たりの交差点。
見ると「久留里」だって!!
18時3分、無事到着。明るいうちに辿り着いてよかった〜〜!!!!

わたし、本当によくがんばった!!!!
つい二時間前までは、まさか久留里に来るなんて思ってもみなかったね。
山の中をくるくる回って、久留里なう。

このあと、セブン銀行との感動のご対面!!


交差点から左を見ると、セブンイレブンの看板!!
コンビニエンスストアー○○商店や、デイリーなんとかではなく、
正真正銘のセブンイレブンである!!

セブン銀行の文字がこんなに輝いて見えたのは、
私の人生で、この時のほかにありません!!

久留里駅からSuicaの使えるJRに乗るので現金はいらないんですけど、
所持金115円はさすがに大人としてまずいので、念のため下ろしておきます。

いやはや。
キャッシュカードなんて、銀行やATMが無ければただのただの分厚いカード。
クレジットカードもしかり、使えるお店が無ければただのゴミ・・・。
サービスを享受出来るインフラが整っている環境こそ、プライスレス。

房総半島は、都会っ子のさえちゃんに色々な事を教えてくれたようです。

せっかく久留里に来たからちょっぴり街中散策〜。

酒造だ。久留里は名水で有名だから、その水で地酒を作っているんだね〜
おみやげによさそう。

あんたが持って帰ってくれるんなら買ってもいいけど。

「木材屋 金物店」
どっちやねん!! と思ったんですが、
改めて写真を見てみると「木屋金物店」っぽいですね。 

交差点の上に久留里城のモニュメントがある。
すげ〜 地震とかで落城しないか心配・・・。

そんなこんなで、ぼちぼち久留里駅に到着。
街の規模に比べると意外とこじんまりとしてるね。

あっ! 音がする。丁度電車が来た所っぽいよ。
急げ急げ〜!!

18時35分、久留里線に無事乗車。
今風の車両ですが、ディーゼルエンジンの音が唸っていてローカル線感あり。

自転車がぴったり収まるスペースがあった。
というか、整理券がいるんだね、この路線。

ということは、Suicaは使えないのか〜。JR東日本なのに!
セブン銀行でお金下ろしておいて本当に良かった・・・・・・。

今回の旅は最後の最後までスリルとサスペンスの連続だったね〜。

ガタンゴトンと揺られること40分。木更津駅に到着。
ここから内房線に乗り換えて、京葉線を経由して東京駅へ帰りました。

途中、五井駅からは今回、幻に終わった小湊鉄道がちらりと見えました。(赤いライト)

ぐううう。


今回の旅を通して・・・

そんなわけで、新しい愛車
ブロンプトンとの初輪行旅はなんとか、終わりました!


今までのトランジットコンパクトと比べてブロンプトンが特に優れていると感じたのは、やっぱり走行性能。
結構な坂道でも苦もなく登れるし、平地では頑張れば25km以上のスピードも出せます。
それでいて、トラコンより小さく折り畳める。
この性能バランスの高さが、多くの人を魅了するブロンプトンの唯一無二の魅力だと実感。

反面、輪行のしやすさはトラコンのほうが優れていると思ったのも事実。
何も考えずにシャカッと折り畳めるトラコンは、不器用な私にとってはそれだけですごい魅力です。
駅や電車内での取り回しも、ブロンプトンはちょっと難しい。
トラコンは、折り畳んだベビーカーと同じような感覚で扱えるので、
日本の狭い駅には合っているのかもしれません。

これからは、近場はトラコンで遠出はブロンプトンで、
といった感じで使い分けて行こうかなぁって思いました。

自転車の使い分けを意識し出したらもう、自転車マニアだね。

えっ!?  マニア!?
自転車はあくまで移動手段としてとらえていたい・・・・!!

今回の旅、総括。
思い返すと、とっても楽しかったんですが
一方で次回への教訓や課題を色々残した旅でもありました。
小湊鉄道はいつか、ぜったいリベンジするぞ〜!!


今回の走行距離: 138.7km  (一日あたり約70km : 自己記録更新!!)


長〜いレポートになってしまいましたが、

最後までご覧下さった皆様、ありがとうございました。


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